笑う日もないし
泣く日もない
僕か君に何の感情も持ち合わせてはいないさ
そういって
しばらく沈黙が続いた
備え付けで掛けてある置時計の
針の音だけが響いて
おもむろに立ち上がった彼女は
台所に置いてあるポットからお湯を注いで
飲み始める
蛍光灯のグローランプが切れかかり
点滅した青紫の光の中
彼女のTシャツがブラックライトで光る
青紫のように点滅している
で、
ここはいつ出ていくの?
彼女が聴こえるくらいの小さな声で
つぶやいた
俺ももらっていい?
そう言って少し今の雰囲気をごまかして
見せる
ポットから注がれるお湯のこぽこぽという音
今すぐというわけにはお互いいかないし
めど付けたら早々に荷物まとめるよ
そう
冷静なふりをして
彼女に投げかけた言葉
それは
少しだけ虚勢
どこかでやめればいい
うその掛け合い
そうやって
離れたりとか
くっついたりする
時計の針の音
コップから上がる湯気
時間だけは凍えそうに過ぎておく
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